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第5回 Young Composerʼs Competition

受賞者決定!
たくさんのご応募をいただき誠にありがとうございました。
全応募作品の中から、優秀作品に選ばれたのは、
Fabio Luppiさん「SOL D’Oriente Fantasia for string quartet」です。

受賞作はMUSIC FUTURE Vol.11で演奏します。


音源はこちらからお聴きいただけます。※音源は冒頭のみ

◆第5回Young Composer’s Competition優秀作品
「SOL D’Oriente Fantasia for string quartet」
作曲者:Fabio Luppi

Fabio Luppi
1992年、サン・ジョヴァンニ・イン・ペルシチェート(ボローニャ)生まれ。8歳からボローニャのG.B.マルティーニ音楽院でマエストロ・カルロ・マッツォーリの指導のもとピアノを学ぶ。以後、室内楽、作曲、合唱指揮、吹奏楽を学び、2019年にチェンバロの専門課程を首席で修了。
またピアノ・デュオ演奏において、国内外のピアノ・コンクールで数多く優勝。さらに、作曲家としても国内外のコンクールで数多くの賞を受賞し、アバド賞やズッケリ財団の奨学金など、その才能が認められている。
2013年以来、イタリア、スペイン、ベルギー、日本、アメリカで定期的にピアノ・コンサートを開催。作品は様々なレコード会社からレコーディングされ、リリースされている。音楽活動に加え、ロヴィーゴ音楽院で和声理論と分析の講師も務めている。

審査員講評 ※五十音順

各楽章において、複数のキャラクターが時に並置され時に重層的に、全体としても心地よく構成されている点を高く評価した。
足本 憲治(国立音楽大学准教授)
ハーモニクスを多用した非常に興味深いアイデアだ。きっと特別腕のいいアンサンブルと多くのリハーサル日数が必要だろう。
鈴木 優人(指揮者・作曲家・鍵盤奏者)
String Quartet の機能を使い切った見事な書き方だ。MUSIC FUTUREにおけるYCCはミニマル系の楽曲が多いが、この曲はいわゆる不協和音の現代音楽の書き方である。それでも各パートの精密な書き方はとても説得力がある。ただ、そこから出てくる音響はあまり変化がない。短い3曲で構成するならば、ウェーベルンなどを研究したらどうだろう。それはともかく、見事な技術力である。
久石 譲(作曲家)

一次審査通過作品 ※音源は冒頭のみ

「Divertimento for string quarte」
作曲者:Roydon Hoi Chak Tse

完成度の高さが群を抜いている。アイデア自体に非凡さは感じないが、確かな筆致で書き切 っている点を評価した。
足本 憲治(国立音楽大学准教授)
ストラヴィンスキーのようなタッチの楽しい音楽。
難易度のバランスもうまく設計されているが、もう少し遅いテンポが必要かもしれない。
鈴木 優人(指揮者・作曲家・鍵盤奏者)
とてもよく書けている。このような軽快な現代曲は、多くの人にも受け入れられるだろう。基本のモチーフも良い。ただ、いくつかのパートを経て最初のテーマが出るのは、とても古典的な構成となり、新鮮味がないと感じる。もう少しハーモニーに拘らない方法を模索してはどうか。
久石 譲(作曲家)

「String Quartet No.2 “Little Prelude in Peach Blossom and Tangram’s Dance”」
作曲者:Yikun Qi

自身の音楽を情熱の伴った音へ託し聴かせる力を感じる。楽想の展開において、些か清新さに欠ける点は惜しいところ。
足本 憲治(国立音楽大学准教授)
個性豊かで面白いミニマル・ミュージック。
サウンドが非常に複雑なので、素晴らしいカルテットが必要だ。
鈴木 優人(指揮者・作曲家・鍵盤奏者)
この作品は“くり返し”を基本としたミニマル音楽の語法を取り入れた現代曲である。第一曲の同じ音型と響きが続くのは、やや重く僕には感じる。フィリップ・グラスの「ミニマルはくり返すのではなく、どう変化させるかが命だ」という言葉を思い出す。第二曲も、書法に破綻はなく、手がたく書かれている。もう少し実験的な試みをしてはどうかと思う。
久石 譲(作曲家)

「Wooden toys」
作曲者:Jiho Jeon

音楽の運び方に上手さを感じる作品。
随所に見られる「作り」の凡庸さや、それぞれのジェスチ ャーに見られる「吟味の足りなさ」については今後の飛躍に期待したい。
足本 憲治(国立音楽大学准教授)
背景とバリのサウンドが気に入った。グルーヴをスムーズに出すためには、マリンバパートに奏者は合わせるといいかもしれない。
鈴木 優人(指揮者・作曲家・鍵盤奏者)
軽やかな楽曲である。マリンバのミニマル的な音型が続いていくが、メロディが現れるとその音型はたちまち伴奏のようになるので注意が必要だろう。同時に、一時代前のような古さも出る。しかし、これだけの長さを書くことは作曲家にとって重要だ。しっかりしたテクニックを持っているので、もっと前衛的な挑戦をしてはどうか。
久石 譲(作曲家)

「When I Was A Child… for Ensemble」
作曲者:Jaemin Jung

審査中、実際の演奏をホールで聴きたいと思わされた作品としては随一。独特の音世界を作り上げている。所謂モティーフを使用するというアイデアを否定はしないが、後半に向けて何かもうひとアイデア無かったか、と感じさせてしまう点を惜しく思う。
足本 憲治(国立音楽大学准教授)
明るいイ長調の色彩と、どちらかというと弾きにくそうな行き当たりばったりのリズムが楽しい。
鈴木 優人(指揮者・作曲家・鍵盤奏者)
ヴァイオリンまたはヴィオラに引きつぐ16分音符の無窮動の音型を中心に前半は進んでいくが、それに絡むオーボエ、クラリネット、コントラバスなどが、微妙な変化を生んで面白い。それ以降はミニマル的なカノン、リズムのカノンなど変化に富んでいるが、もう少し要素を削って単一素材に集中すると、曲に強さが増すと思う。
久石 譲(作曲家)

募集要項

※応募受付は終了いたしました。
たくさんのご応募ありがとうございました。
募集作品
新鮮な魅力を持った現代曲であり「MUSIC FUTURE」のコンセプトに沿った実演奏可能な作品であること。ミニマル的な作品だけでなく、広く実験的な作品を募集します。
そのうえ、聴衆と高いコミュニケーション能力をもつ作品が望ましい。
編成
編成表にある楽器の中から4重奏〜6重奏
  • ただし、指揮者なしで演奏可能な作品に限る。アンサンブルが不可能と判断された作品は不可とします。
  • 使用楽器は下記《編成表》をご参照ください。
  • アンプや電子楽器、テープ等の録音素材の使用は不可とします。
編成表
1 flute, 1 oboe, 1 clarinet, 1 bassoon, 1 horn, 1 trumpet, 1 trombone, 1 percussion, strings (1-1-1-1-1)
  • 持ち替え楽器、パーカッションの具体的な楽器や内部奏法、特殊奏法の使用可否はお問合せ下さい。
演奏時間
7分程度
応募資格
国籍・経歴不問・年齢(35歳位まで) 応募費用は無料
著作権
受賞作品のすべての著作権は、作曲者に帰属します。
なお、受賞作品決定後、初演までに、主催者と作曲者との間で作品の利用許諾に関する契約を締結するものとします。
募集要項のダウンロード

審査

ご招待
MUSIC FUTURE Vol.11(7/25,26 紀尾井ホール)公演内で世界初演、受賞者をコンサートへご招待します。
※遠方の受賞者には交通費・宿泊費の補助あり。
賞金
優秀作品賞 30万円 (源泉徴収税を含む)
審査方法
無記名の楽譜と⾳源の審査により、最終的に受賞作品1作品を選出します。
審査員
久石 譲 他
審査結果
最終審査結果は、6月中旬に公式サイトにて発表いたします。

提出物・応募先(郵送またはメール添付)

提出物
①応募用紙(全てご記入ください)


②フルスコア(総譜)1部
  • スコアには曲名と楽器編成を記載し、作曲者名(氏名)は記載しないこと。
  • 自筆またはコンピューターソフトによる鮮明なスコアである事。
  • 郵送の場合、A3サイズ以下で製本はせずにお送りください。
  • 演奏時間と速度表記(メトロノーム表示等)を具体的に記載すること。
  • 練習番号または小節数、各ページには通しページ数等を明記すること。
③デモ音源(MIDI音源等によるデモ音源を収録したCDまたはデータ)
④作曲ノート(日本語または英語にてご提出ください)

注意事項
  • 未発表かつ未出版でオリジナルの新作であること。他のコンクール等に応募中の作品の応募は認められません。
  • 応募作品は、審査過程またはアーカイブ目的に音源の一部もしくは全部を公表する場合があります。
  • 受賞作品の作曲者は、原則としてリハーサル(日程未定)・公演(7/25,26)に立ち会うものとします。
  • 受賞作品の演奏会用楽譜(パート譜等)は主催者が作成し、演奏会終了後も保持します。
  • 受賞作品の著作権は作曲者に帰属します。受賞決定後に主催者と作曲者との間で利用許諾に関する契約を締結します。
応募締切
2024年5月30日(木)※応募時の提出物は返却致しません。
送付先・お問合わせ
<メール添付の場合>


<郵送の場合>
〒106-0031 東京都港区西麻布4-20-3 西麻布HOUSE 202
株式会社ワンダーシティ内 YCC事務局

メール添付にて応募の際のデータ形式について
※データ名は必ず作品名とすること。データ名に応募者名などを入れないでください。
※添付書類は全てPDF形式、音源データはmp3またはWAVが好ましい。アップロードしたURLを記載でも可。